「VOGUE」2014年12月号 のJJインタビュ~
熱血ファイターに変身した イ・ジョンジェ

Q : 最近見た展示会は
JJ : この前ロンドンに行ったら、偶然アンゼルム・キーファー展をしてました。
とても印象深かったです。
Q : 負傷した肩はどうですか。
JJ : 今もストレッチ出来ない角度があるので リハビリを続けてます。
撮影の時でもなく、アクションスクールで練習している時に肩を壊しました。
自分が受けたキャラクターが異種格闘技選手なので、半年ほど準備しました。
Q : 今回の映画を終えて手術をしたため、『無頼漢』は結局 降りたと聞きました。
JJ : 術後3ヶ月ほどは何もできないと言うんですよ。
病院側の話しだけでは信じませんでした。「とりあえず手術しましょう」と。
ところが、腕が動かないんです。思ってたことと全く違う状況でした。
私と『無頼漢』製作者、医師が集まって話をしました。
映画のために早く決めるべきと思い、病室でその作品を諦めました。
Q : 『下女』のチョン・ドヨンとまた共演と思ったのに残念ですね。
JJ : キム・ナムギルさんがキャスティングされたので、彼が解決するでしょう、ハハ。

Q : 今回の『ビックマッチ』にかける期待は大きいと思います。
JJ : 確かに。でも、まだ映画を見てません。
デザインがかなり入った映画です。
アクションにもモーションキャプチャーやCGが多く、
シン・ハギュンさんが登場するシーンもそうです。
監督はデザインが上手な方ですが、現場では後半の作業を見られないので
俳優の立場では気になります。期待半分 心配半分です。
Q : 先立って、チェ監督と仕事したファン・ジョンミンさんは何と言いましたか。
JJ : 監督について特別な話はしてません。
どうせ私はやるつもりだったし、会うと自然に感じる部分なので
事前に特に必要な情報はありませんでした。
会った後「あ、こんな方なんだ」と分かりました。
Q : どんな方かですか?
『フー・アー・ユー?』、『死生決断』 、『GO GO 70s』など
チェ・ホ監督の前作は良かったが、実はジャンル的にはちょっと意外でした。
初めてのアクション映画じゃないですか。
JJ : 新しいジャンルと新たなストーリーに楽しさを感じ、
そんな映画を作りたいという欲がありました。
今までは洗練された高級な面や、ハードボイルドなノワールジャンルでした。
今度はハリウッドアクション映画みたいなシーンを韓国でも一度やってみようと
挑戦したようです。
『ビックマッチ』は娯楽アクション映画ですが、多少仮想現実のような設定もあります。
Q : 仮想現実ですか?
JJ : シリアスではありません。

Q : チェ・イクホはどんな男ですか。
JJ : 説明する必要がないキャラクターです。
シン・ハギュンさんが企んだ事件に巻き込まれ、兄を助けにいく役。
それが全てです。とてもシンプルです。
Q : 『太陽はない』でチョン・ウソンさんが演じたボクサー、ドチョルのように?
JJ : ドチョルより もっと軽いです。
天真爛漫で、たまに知能が足りないのではと思えるほど、
頭より体が先に動くタイプです。
Q : UFC試合のようなものを好んで見るほうですか?
JJ : あまり見ませんでした。
喧嘩する時も人によってスタイルがあるので、この映画の為に見るようになりました。
監督が映像資料を集めてファイルで送ってくれたんです。
こんなゲームで、このようなファイター達の動作が役に立たないか、と。
それを見ながら各選手の動作を編集しました。
Q : それなら、チェイクホは天下無敵“完全体”ですね。
JJ : ところが、選手達のカッコ良い部分ではなく、面白い部分を選んだというのです。
たとえば、ポパイみたいな力がいると思ったら腕を振り回した、と言うように。
そんな漫画的要素があってこそ映画がもっと若々しく、
ウィットに富んだ演出者の意図もありました。

Q : キム・ヨンファ監督の『オー!ブラザーズ』以降、ウィットのきいたイ・ジョンジェは、
久しぶりかと思います。
JJ : そうですね。あまりにも真剣な役のみしてると、
そんなキャラクターでイメージが固定されるのは負担でもあったんです。
勿論 上手くいかないかもしれないけど、一度やってみることです。
上手くいけば私も個人的に嬉しいし、観客も退屈しないはずです。
しかし、もし上手くいかなかったら、ずっとシリアスをやらないと…ふふ。
Q : 首陽大君に深い印象を残した『観相』まで、最近の作品は全部本当に良かったので、
次の作品に対する負担がさらに大きかったと思います。
JJ : いいえ、全然そうではありません。
興行はうまく行く時もあるし、そうでない時もあるから、
そこにはあまりこだわりません。
スケジュールが合い、当時入ってきたシナリオで最も興味深かったので選択しました。
私が厳しくシナリオを悩み、数年間作品数が少なかった時がありました。
ところが最近の俳優はみな休まず、すぐ次の作品を続ける傾向です。
それがより適しているようです。
作品数が多くなってこそ、劇場を訪れる観客数も増えるだろうし、
韓国映画が今より良くなれば海外に行く機会もさらに増えますから。
Q : 天才悪党のエース役にシン・ハギュンさんを推薦した特別な理由がありますか。
JJ : どうしてもシン・ハギュンさんと一度共演したい思いが強かったんです。
さらに、この役はとても難しいんです。
このような役をこなせる俳優が多くないため、監督に話しました。
ところが、すでに一度断られたそうです。
それでシナリオをちょっと変えて再度やり直しました。私の立場ではよく出来ました。
Q : 今までシン・ハギュンさんと共演したことがないのが意外ですね。
JJ : イベントでたまに会うとか、誰かの紹介で食事するとか、
そんなこともありませんでした。
実は私は一度も会ってない俳優がとても多いです。
チョン・ウソンさんと10年間 親しくしてるので、
良い映画で共演したい気持ちもありますが、
『太陽はない』以降まだ一度も映画を通じて会ったことがないですし。
Q : 直接作ってみるのはどうですか?
チョン・ウソンさんも今年の短編映画を演出したと聞きました。
JJ : ウソンさんは映画を始めた時から 俳優より演出に興味があった人じゃないですか。
俳優の仕事が忙しくて 自分の演出を今まで延ばしてきましたが、
最近シナリオを作成中のようです。私はまだよくわかりません。
この前「イ・ジョンジェ、シナリオを書いている」こんな記事が出ましたが、
どんな俳優でも自分の頭の中にシナリオが1本はあるでしょう?
誰か製作してくれないですかね。
Q : 海外ではベン・アフレックのように監督を兼ねた俳優だけでなく、
ブラッド・ピットやドリュー・バリモア、レオナルド・ディカプリオのように
製作者として参加する俳優もかなり多いでしょ。
チョン・ウソンさんも来年公開の映画『私を忘れない』で主演を務めながら製作もする。
JJ : それもすごい才能です。
良いアイテムを発掘し、目の肥えた投資家を説得する能力も必要だから。
劇場を決め、興行までして、ようやく立派な製作者になったのに、
越えなければならない山が多いですよ。
今のところ、そこまで行けるシナリオがまだない状態です。えへへ

Q : 『ビックマッチ』は脇役も優れています。
「ミセン」のオ課長で熱い人気を得ているイソンミン氏をはじめ、
歌手BoA、ラ・ミラン、ソン・ホジュン、チェ・ウシクなどが出演したが、
他の俳優との呼吸はどうでしたか?
JJ : 撮影現場で一堂に集まる機会はほとんど無かったですね。
ソンミン兄は捕まっている状況ですし、
シン・ハギュンさんは私を罠にはめようとする悪党なので、
全ての活動舞台が違いました。それでもボアさんと仲良くなりました。
シン・ハギュンさんの部下であるボアさんが私につきまとう設定だったので
撮影現場でよく会ったんですよ。
Q : どう見てもイソンミンさんとイ・ジョンジェさんが実の兄弟という設定は信じられないですね。
JJ : イ・ソンミン先輩は多様なキャラクターを上手く消化する方です。
演技力においては申し分ないキャスティングです。
一緒に過ごす時間が短くて残念でししたが、ソンミン先輩をはじめ、
関心あった人達と会ったのが今回の映画で一番楽しかったことです。
また会いたいです。
Q : ソウル市内の見学はかなりしたんでしょうね。
JJ : 隅々までたくさん行きました。
一番大きな場所が上岩サッカー競技場で、清潭洞や江南でもたくさん撮って、
ソウル駅でも撮影しました。
Q : 撮りながら何か感じましたか?
私のフィルモグラフィーに残るシーンが1つありそう、とか。
JJ : 映画を撮影すると、そんな感じがある時もあれば、ない時もありますが、
普通そんな場合はもっと深刻なキャラクターです。
どうしても観客の印象に残るでしょうから。
チェ・イクホはそのような強烈なキャラクターではありません。
自分が演じたいキャラクターをしていけば またあるでしょうが
毎回そんなことはないです。
それはロバート・デニーロやアル・パチーノでもそうでしょうから。
Q : 意外な場合もあるでしょ。
かなり昔、94年ドラマ「フィーリング」の大学ボート選手のハン・ジュンもそうでした。
JJ : 「フィーリング」はフィルモに残る作品ですよ!
私はあのキャラクターがとても好きです。
当時、演技のパターンはだいぶ違いました。
普通は台詞と動作を一緒にしません。動作が終わった後、台詞をしたり、その逆でした。
しかし、私はアクションと台詞を複雑に混ぜたのでライブっぽかった。
ある面ではコミカルに見えたり、幼かったり、憐れだったり。
そういう部分がよく表現されたようです。

Q : 再放送でそのドラマを観る時、イ・ジョンジェという俳優が、
もっと遅く生まれたらどうだったかと思いました。
昔も今もハンサムという言葉はうんざりするほど聞いたでしょうが、
21世紀型マスクに より近いと思います。
JJ : そうですね、自分の顔に100%満足している俳優は多くないです。
私もやはりそうですし。
今は何年も続け、演技力で勝負しなくてはいけない時です。
外的な部分より私が引き受けたキャラクターを新たに増幅させ、
もっと大きく見せれる演技をしようと努力しています。
Q : 今回の映画で期待している部分があるとすれば?
JJ : やはり興行です。
『新世界』も『観相』も興行が良かったので、
私のキャラクターに対して良い評価が出たんでしょうね。
Q : 観客数は少なかったが『純愛譜』は本当に良かった…
JJ : あ、『純愛譜』は熱烈ファンが意外に多いですね。
演出も良かったし、企画も新鮮でした。
韓国と日本で半分ずつ撮ってオムニバスのように構成したので。
最近また見てみると どんな感じになるでしょうね。
Q : “ファイター腹筋”で検索語1位になりましたが、ちょっと痩せたようですね。
JJ : 『ビックマッチ』撮影時は7kg程体重を増やしました。
今はチェ・ドンフン監督の『暗殺』を撮ってますから。
来年1月末までずっと撮影しそうです。

Q : チェ・ドンフン監督はあなたの熱烈ファンでもあります。
「実際のイ・ジョンジェもそうだが、映画ではよりかっこいい」
と、本当に素晴らしい俳優だと何度も話してました。
JJ : 私も監督を認め、尊敬しています。
作業する際、片方だけが楽しいのではなく、一緒に楽しむ。
映画を作るフィルムメーカーや映画人として非常に多くの話しをします。
イム・サンス監督やキム・ヨンファ監督ともたまに会いますが、
チェ・ドンフン監督が一番よく会います。すごく良い人です。
Q : チョン・ジヒョン、ハ・ジョンウ、イ・ジョンジェ。
偶然にも『暗殺』の主演俳優3人がすべてSKテレコムの広告モデルですね。
JJ : そうなんです! ハハ。
しかも3人とも他の会社のビールCFをしてるので、飲み会のたびに悩みます。
どのビールにしようか…
Q : ビールはやっぱり OBです。
JJ : あ、どうも。